<コンサート・シリーズ PARIS-TOKYO NO.11>

♪ ニコラ・ドートリクール(vl) & エリック・ル・サージュ(pf) デュオコンサート ♪

推薦文
真嶋雄大(音楽評論家)
 夢のようなデュオが実現する。ニコラ・ドートリクールとエリック・ル・サージュ。ニコラはまだ日本ではあまり馴染みがないが、これからブレイクすることは間違いないヴァイオリニスト。1993年、16歳でパリ国立音楽院入学というからそろそろ30代を迎える年齢だが、既にそのヴァイオリニズムは独自のスタイルを確立している。繊細極まりない美音は瑞々しい潤いとしっとりした詩情に溢れて比類がなく、それは確固たる構築観と明晰な輪郭に支えられてさらに説得力を増す。細部にわたる丁寧な心配り、知的なアプローチと嫋やかな感性のバランスは、このヴァイオリニストのポテンシャルを否応なく確信させるのだ。先日筆者がニコラの師匠、カントロフにインタヴューした際、雑談の中でニコラに太鼓判を押していたのも印象的だった。
 それからこのコンサートにはもうひとつ大きな話題がある。ソロや様々な室内楽が広く知られているル・サージュについて今さら説明することもないが、弦とのデュオは日本初。室内楽で最も大切なのはお互いの信頼関係で、ル・サージュが惚れ込んでいるニコラとのデュオがどんな音楽的感興を生み出すか、こんな愉悦の時はそうあるものではない。
日 時:2006年5月2日(火)19:00開演 (18:30開場)

会 場:ムジカーザ (小田急線・地下鉄千代田線〔代々木上原駅東口〕より徒歩2分)
     Tel.03-5454-0054  地図

料 金:指定席\5,500 自由席\4,500 (チケットは完売いたしました。)
 *小学5年生以下の入場はご遠慮下さい。
 *発売開始:3月27日(月)10:00

主 催:コンセール・パリ・トーキョウ 
協 力:ヤマテピアノ (有)フロム・サーティ


予定される曲目:プーランク(vl+pf)、フォーレ(vl+pf)、シューマン(pf)
Nicolas Dautricourt
1993年パリ国立高等音楽院入学。カントロフに師事し、ヴァイオリン及び室内楽でプルミエ・プリを得て卒業。その後、パリ国立高等音楽院大学院で学ぶ。98年アンリ・ソーゲ国際コンクールにて第1位グランプリ受賞。リピツァー国際コンクール、ヴィオッティ国際コンクール等で入賞を重ね、2001年のヴィエニャフスキー国際コンクールでファイナリストとなる。フランス国内を初め、ロシア、アメリカ合衆国等、国際的に活躍している。シマノフスキ全集、ショーソンとメンデルスゾーンの二重協奏曲のCDは、フランスの音楽雑誌で高く評価される。2006-2007シーズンにフランス国立フィルとショーソンの詩曲を協演することが予定されている。楽器は、David Tecchler(1721年)。

Eric Le Sage
1964年生まれ。パリ国立高等音楽院に学び、ピアノ及び室内楽でプルミエ・プリを得て、17歳で卒業。85年ポルト国際コンクール第1位、89年シューマン国際コンクール第1位、90年リーズ国際コンクール第3位等多くの受賞歴を持つ。ソリストとして活躍する傍ら、室内楽にも情熱を傾け、パユ、メイエと共に室内楽音楽祭を主宰している。作品の核心に触れる深い解釈とフレンチ・ピアニズムを継承する演奏で世界中で高い評価を受けている。2006年11月、読売日本交響楽団とシューマンのコンチェルトを協演することが予定されている。